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月報2020年10月号〜歯医者さんで、心もぴかぴかに!!

 神奈川県歯科医師会の医療管理委員会で開催される歯科助手資格認定講習会などで、平成26年から接遇マナーの講義を担当してまいりました。残念ながら今年度の講習会は中止となりましたが、この誌面をお借りして、コロナ禍に感じたことをお伝えできればと思います。

■歯医者さんは、安全・安心

 「コロナに感染しないか心配で」という不安の声を、一般の方々からは耳にすることもあります。ですが、スタッフのマナー指導などで歯科医療の現場に入ることが多い私はむしろ、「歯医者さんだからこそ、安全・安心」と考えています。なぜなら、普段からスタンダードプリコーションが徹底され、感染予防対策がなされていることをよく知っているからです。

■ニューヨークでのひと言

 私の個人的な体験から話を始めさせていただきます。航空会社のCAになりたての20代のころの話です。先輩たちは、仕事もできてかっこよく、文字通り “雲の上の存在” でした。ある先輩CAと、ニューヨークでのステイ時間の過ごし方が話題になりました。新人の私は、ステイ中も帰りのフライトのことで頭がいっぱいで、どこかでリラックスする余裕すらありませんでした。ところがその先輩は、マンハッタンを散策し、ネイルサロンによく立ち寄るということでした。「ニューヨークにはたくさんサロンがあるから、お茶する感覚で立ち寄るのよね」と余裕たっぷりな先輩の言葉が、とてつもなくかっこよく響きました。

■「歯」と「心」を磨いてもらった

 4年ほど前、私が自分の会社を立ち上げたころ、あるテレビ局のインタビューを受けました。ところが、私の個人的な情報が誤って放映され、あまりのショックで落ち込んでしまいました。そんな時、月一回の歯のポリッシングの予約日が来ました。
 緊急事態でも不安な気持ちを表情に出さないよう厳しく訓練されたCA時代の習慣が今もしみついています。その日も私は落ち込んだ気持ちを出さないようにし、いつもの歯医者さんに向かいました。ひとことでも声を出したら涙が出そうで、先生と話したら泣いてしまうかもしれないと思いましたが、先生は、私の様子がいつもと違うと気づかれたのでしょう。いつもなら「最近どうですか?」と聞いてくれる先生が、その日は気遣って、ご自身の楽しい話ばかりをずっとしてくださいました。
 実はその日、ぎりぎりまで予約をキャンセルしようか迷っていました。「でも、やっぱり来て良かった」。最後は、心までぴかぴかに磨いてもらった気持ちで歯医者さんを後にしました。「お茶する感覚で通うって、こういうことなんだ!」と、20年前のニューヨークの記憶がよみがえりました。

■リラックスできる歯医者さんに

 コロナ禍になり、患者様も不安を感じて歯医者さんに向かう足が滞りがちです。でもそんな時期だからこそ、ホッとできる場所が必要なのではないでしょうか。ちょっと疲れたときに立ち寄ったら、心身ともにリラックスできた!という場所に、歯医者さんがなってくれればいいなと思います。
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